− 鯛の姿焼き編
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[a sea bream] HP2mm  2006年04月12日11:38

DeLPiの声とロキの声、
慌しくぼくの周りを行き来する沢山の足音

なんでそんな悲痛な声を上げてるんだろうと思いながら
顔を上げようとするけど、首がうんともすんとも動かない
指、手がかろうじて……あとは意志どおりにいかない

うう、これ、何だろう……何が起こったんだっけ……

ぼーっとしてるうちに数人のエルフに担ぎ上げられ、
不安定な布の上にそっと寝かされる
やがてかくんと揺れたかと思うと、ゆっくりと景色が回り始めた

同時に、徐々に背中の“痛み”が戻って来る

「鯛殿、すまなかった……
宮仕えの者たちに誠心誠意を尽くして治療するよう命じておいた
説明は後ほど……テラン自らが語ることを望んでおるようなので
治療の終わる頃、そちらに向かわせる」

この声は、ヴァヌー様?

イマイチ事が良く分からない……

声の主に目を向けることが出来ない……
頷く代わりにゆっくり瞬きをしてみる



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