− Geymark編
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[a sea bream] そして姫様へ 2006年03月11日23:33

内政事務官の面接はあっさりパスしましたわ。
というより、あの程度の三流の面接官で私を論破しようと言うほうが間違っていましてよ、うふふ。

「はい、これが先月分の貸借対照表と総勘定元帳。今月分の振替伝票がこちらですわ。元帳起こしは月代わりしてからでよろしいですわね?」
「あ、ああ、ご苦労さん。仕事早いねぇ、もう一週間はかかると思ってたよ。」

この程度の伝票整理、本腰入れたら半日仕事でしょうに。これだから役所仕事ってやつは好きになれませんわね。

とはいえ、このスローペースのおかげで、伝票の検算までじっくり行えましたし。ちょっとした収穫もありましてよ。

「ちょっと繰越残高で気になるところがありましたので、去年の台帳が見たいのですけど・・・」
「ああ、そこの棚にあるから勝手に持ってってくれて構わんよ。」

閲覧記録すら取りませんのね。まあむしろ好都合ですけど。

・・・

ふむ・・・この業者への買掛繰越がこうなって・・・消耗品費が・・・貸倒引当金がこうで・・・なるほど、今月どころかずっと続いてますのね、予想通りでしてよ。

この半年だけで800Mぐらいの使途不明金がありますわね。道理で荘園の買取が細いわけですわ。荘園の運転資金の約半分が消えてますもの。

まあ、私の城というわけでもないですし、普段なら知ったことじゃないとスルーするところですけど、鯛ちゃんのこともあるし、何か使えるかもしれないから、文書にまとめて取っておきましょうかしらね。

・・・

「はい、確認できましたわ、どうもありがとうございます」
「そうかいそうかい、元の棚に戻しておいてくれればいいよ。」
「で、買掛金の繰越残高が20Aだけ違ってましたから、こっちの伝票と差し替えてくださいますかしら?」
「うほ、細かいねえ。いやそれが本来なんだがね。」

・・・やっぱりザル内政ですわね。私がここの幹部でしたら今頃こっちの予算をこうやって、あっちの予算をゴニョゴニョして・・・ああうっとり・・・
いやいや、不正はよくありませんわね。不正は。

 

・・・・

 

「今度入ってきた事務官のGeymarkとかいう女性。なかなかのやり手だそうじゃないか?」
「ああ、私の方でも聞いておるよ。ほかの事務官なら一週間はかかる帳簿整理を一日で終わらせたとか。」
「・・・ちと気に入らんな。」
「バンガード卿、何か?」
「女にしてはちと切れすぎるのう。そういう奴を帳簿とかに回しておくといらぬ尻尾を掴みそうじゃ。」
「ふむ、それはそうじゃの・・・ちと閑職に回した方がいいかもしれんな・・・」
「おお、わしにいい考えがあるぞ。」
「ほお、聞かせてもらいたいなマグライダー卿」
「姫様が成人を控えて内政等の家庭教師がわりの秘書官を付けてもらいたいと言うておられたろう?」
「ああ、言っておったのう。」
「女性ということだし、ちょうどうってつけだと思うがどうだろう?」
「それは悪くないのう、姫様の遊び相手でもやらせておくとしようか・・・」
「わしも賛成じゃ。どれ、さっそく辞令を発行させるか・・・」

 

・・・・

え?辞令?はあはあ、明日から姫様付の秘書官ですか。いえ私は一向に構いませんわ。喜んでお受けします。それでは。

・・・ちょっと本気で仕事しすぎましたかしら?

まあ、それもいいでしょう。ひょっとしたら鯛ちゃんの嫁になるかもしれない娘さん、じっくり拝見させていただきましょうかしらね。

ちょっと忙しくなりそうだから、ロキの面倒は見れそうにありませんけど、まあ本人も楽しそうだし、なんとかなるでしょ。



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