− Geymark編
 −

[a sea bream] 名誉と矜持と 2006年03月30日08:40

ご城主が登場した瞬間、一瞬「あの方」と見間違えてしまいましたけど、目の錯覚でしたわね。
この段階で名誉うんぬんを口にするとは、あの方とは格が違いますわ。

ちょっと一言言ってやろうかしら・・・
「ご城主・・・」
「お父様!!!」

ここでテラン様が口を開きましたわ。
まあいいでしょう。私の教育の成果、どこまでモノにしているか拝見させていただきましょう。

「お父様は名誉名誉とおっしゃいますが、名誉と矜持、いったいどちらが大切だとお思いですか?」
「・・・矜持、だと?」
「私の成人の宴や婚約など小さなことです。ここでは「漢」の魂が問われていることにお気づきにならないのですか!」

相手がビビッドに反応しそうなキーワードを散りばめる。基本は抑えていますわね。

「身内の擁護よりは他者への礼を重んじる、私の知っているお父様はそういう漢だったはずでしてよ。」
「ええい、女だてらに生意気なことを言いおる・・・」
「『漢とは性別ではない、魂だ!』とお教えくださったのはお父様ではありませんか!」

90点差し上げましょう。一喝のタイミングとしてはほぼベストのタイミングですわ。

「・・・フフフ、やりおるわい。子供だ子供だと思っていた娘に一喝されるとはの・・・」

明らかにご城主の機嫌が良くなりましたわね。

「わしとしたことが少々取り乱したようだ。まだまだわしも小さい漢よの・・・さて、鯛の姿焼き殿よ。」
「はい。」
「わしの方はマグライダー達重臣から、わが娘テランの婿にふさわしい骨のある漢がおり、テランもそちらも大変乗り気であると聞いておった。実際は違うということでいいのであるな?」
「違いますね。」
「なるほど・・・」

「なんだと?お前の兄とか言う男の話と違うではないか!」
これはプラウラー卿。あの放蕩エルフ・・・また適当なことをほざきくさりやがりましたわね。

「・・・兄がなんと言ったかは私の知るところではありません。が、ここにはお断りする所存で参りました。」
「ほう・・・テランよ。お前はどうなのだ?」
「私はしかるべき時期にはしかるべき殿方に嫁ぐのは当然だとは思っております。が、今が「しかるべき時期」であるとは思えません。」

「なるほど。あいわかった、そのような者どもを無理に添い遂げさせるのも本意ではない。鯛の姿焼き殿もそれでよろしいな?」
「そうしていただけると幸いです。」

この件についてはこれで片付いたと思っていいですわね。

「では、この不祥事についてはどうされます。」
「・・・そちらの好きにするがよかろう。」
「え?」
「その程度で揺らぐ我が城ならば所詮わしの器がそこまでであったというだけのこと、かつてのように一血盟の盟主として野に下ればいいだけの話。何か問題があるのか?」

やっぱり一瞬だけ「あの方」と姿がダブりましたわ。
そう、今はこの世界にいない「あの方」に・・・

「こちらもこの城の転覆が狙いなわけではありません。そういうことならばこの件はご城主にお預けしましょう。」
「あいわかった。そなたの度量に感謝する。」

これで一見落着かしらね。いろいろ後片付けが大変そうではありますけど。

・・・と思いきや、この音は?
私の妹のContioがユニコーンを呼び出す時の音に似ていますわね。でももっと重くて大きい音。
これは・・・攻城兵器?

鯛も気づいたようですわね。
「姫様!ちょっと席をはずしますわ!」
大急ぎで控えの間に戻って元の着替えを・・・っと、この城に入るときに青軽からデボセットに着替えてしまっていましたわね。まあなんとかなるでしょ。
最低でもロキにエンパワー、DeLPiにレイジだけでも与えないと・・・



■Geymark 編 の次のストーリーに進む■


■この後に続く 鯛の姿焼き編 を読んでみる■

■この後に続く ロキウェル編 を読んでみる■

■この後に続く DeLPi編 を読んでみる■

■この後に続く おおとりさま編 を読んでみる■


前へ戻る


■TOPへ■