[a sea bream] 名誉と矜持と 2006年03月30日08:40
ご城主が登場した瞬間、一瞬「あの方」と見間違えてしまいましたけど、目の錯覚でしたわね。 この段階で名誉うんぬんを口にするとは、あの方とは格が違いますわ。 ちょっと一言言ってやろうかしら・・・ ここでテラン様が口を開きましたわ。 「お父様は名誉名誉とおっしゃいますが、名誉と矜持、いったいどちらが大切だとお思いですか?」 相手がビビッドに反応しそうなキーワードを散りばめる。基本は抑えていますわね。 「身内の擁護よりは他者への礼を重んじる、私の知っているお父様はそういう漢だったはずでしてよ。」 90点差し上げましょう。一喝のタイミングとしてはほぼベストのタイミングですわ。 「・・・フフフ、やりおるわい。子供だ子供だと思っていた娘に一喝されるとはの・・・」 明らかにご城主の機嫌が良くなりましたわね。 「わしとしたことが少々取り乱したようだ。まだまだわしも小さい漢よの・・・さて、鯛の姿焼き殿よ。」 「なんだと?お前の兄とか言う男の話と違うではないか!」 「・・・兄がなんと言ったかは私の知るところではありません。が、ここにはお断りする所存で参りました。」 「なるほど。あいわかった、そのような者どもを無理に添い遂げさせるのも本意ではない。鯛の姿焼き殿もそれでよろしいな?」 この件についてはこれで片付いたと思っていいですわね。 「では、この不祥事についてはどうされます。」 やっぱり一瞬だけ「あの方」と姿がダブりましたわ。 「こちらもこの城の転覆が狙いなわけではありません。そういうことならばこの件はご城主にお預けしましょう。」 これで一見落着かしらね。いろいろ後片付けが大変そうではありますけど。 ・・・と思いきや、この音は? 鯛も気づいたようですわね。 |