[a sea bream] おとりとおおとり 2006年03月22日14:34
忙しい忙しい〜
礼服を着て一般参加者を気取っても、相変わらずどたばた。
あっちも気になる、こっちはどうなった〜
どたばたどたばた。
とりあえず赤い蓋のブツは、立派な隠密行動用武器と判断したので、
メイド姿の鯛に渡してみた。
あれなら音を立てずに対象にダメージが…大ダメージが与えられるハズだ。
さて、今の状況はっと…
鯛は何やら行動を起こす為だろう、厨房に向かって移動中。
Geyさんはどうやら城側の人間として潜入しているようだ。…どうするつもりなのだろう…
おおとりさまは…立ちふさがる敵を排除して一旦部屋に戻っていたなぁ。今はどうだろう。
DeL嬢は警備兵とひと悶着あったようだが大丈夫だろうか‥
まぁ何てったって3次職であるドレッドノートまで登りつめた人だし大丈夫か。
うっし、引き続き祝賀会参加者の目を逸らすとしよう。
パーティー会場に戻り、シルエットに指示を出しつつ誤情報をさりげなく流して…
鯛が会場外で動いているから、できるだけ人の目をこの会場に集めておきたい所。
鯛がこの会場に居るかのように情報を流して周る。
魔法使いというものは周囲に満遍なく目を向けて新たな敵の襲来に備えて戦う後衛職。
なので周りの気配には結構敏感。
何やら警備兵に伝令が走っているようだ。動きがあわただしくなった。
鯛が見つかったとかじゃないといいが…
警備兵の動きを調べる為に会場の隅に移動しようとしていると、
反対側で更に大きな動きが…
って大きすぎるだろ動き。ご婦人達から悲鳴が次々と上がる。
「自爆ゴーレムよ!爆破テロよ!逃げてー!」
は、はい?!
心情的にどっと汗が吹き出る。なんだと…?!
一応王族の大きな祝賀会だから無い話じゃないだろうけどさ。
爆発はどうでもいいけど人が…人がーーー!
シルエットと俺で円を描くようにぐるぐると誘導し続けていた人が…
人々が次々と離散して会場の外へ…
ぎゃーーー!!
どうする…?!
とりあえず状況確認。警備兵の一部は何かの命令があったのだろう。
まとまった人数で別方向へ移動している。
平警備兵は爆破テロ(?)を処理するべく会場を駆け巡っている。
自爆ゴーレムの機会音は今のところ聞こえない。
火薬の臭いも特には感じない。
ってそんな型の新型自爆ゴレとかだったら笑うしかないケド。
とりあえず発見できない。
でも貴婦人達の悲鳴は更なる悲鳴と混乱を呼び、人々はパニック状態。
キョロキョロとしたり、兎に角外に逃げ出したりと大混乱だ。
どんな行動を起こすにせよ…今の装備じゃ乗り切るのが苦しそうな気がするぞ…
先導する対象を失い次の指示を待つシルエットを一旦呼び戻す。
シルエット、人々の影に隠れながら、こっそり控え室にある俺の荷物を持って来てくれ。
と命じるとシルエットは影となり足元の影に吸い込まれて消えた。
抜け殻になったドレスを腕にかけてシルエットを見送る。
ハウラーの状態で呼べるシルエットなので、あまり性能の良いものではない。
無事に持ってきてくれますように…!
次々と祝賀会参加者が外へと出てゆく。
このままここに居たら目だってしまうし、別働隊の警備兵を追うか…
こそこそとボディトゥマインドで体力を魔力に変換して魔力を満たしながら、人込みに紛れて移動しようとしたその時、慌てふためく人々とは違う動きの人に気が付く。
雪のように白い肌。長くとがった耳。金色の髪を揺らして紅いルージュを付けた唇が妖艶に笑みを描く…
血の様に赤いドレスを纏った
おおとりさま だ…
何故か心の中で「出たーーー!!」と叫び声が。
あれ絶対返り血対策だ絶対そうだと心で呟きながら赤いドレスの姿を見つめる。
「あらロキ、もうメイドさんごっこはお終いなのかしら?」
会った時の落ち着き様から感づいては居たけど、自爆ゴーレム等など関係なしなこの発言具合で確信。
この騒ぎ…おおとりさまの起こしたものか…!
「鯛ちゃんのドレスまで持って…鯛ちゃんも女の子ごっこはお終いなのかしら。ねぇ?」
やっぱりだけれど…全部気づいてるーー!
「え、えぇ。礼服に着替えて急いでエスコートに行きましたけど、逃げられちゃいましたょ」
ほら、と鯛の白いドレスを見せる。ああああ何だこのボスキャラに会ったような緊張感は…!
同じ血盟の仲間でありながらも恐ろしい気がしてならない要素は2つ。
1、騒ぎの意図が分らない。
2、機嫌が悪そうなオーラが漂っている。
間違いなく2が一番の原因です。
機嫌の悪いおおとりさまとかどうすればいいか分りません。
助けて助けてええええ!!
「失礼しますご婦人。お名前と所属血盟をお伺いしてよろしいでしょうk」
明らかに他の客と動きの違う俺達を不審に思った警備兵が近寄ってきたが、
俺のスリープの詠唱が終わる前に眠り、倒れてしまった。
おおとりさまのスリープだ…早いよ……
平静を装いにこにこと微笑みながらも俺の心はとっても半泣き。 |