− ロキウェル編
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[a sea bream] 鯛も爆発 2006年03月24日21:36

全ては我が雇い主のためにと思って行ってきた事なのに

気が付くと場の中で一番怒りのオーラを発しているのが鯛なのはどういうことだろうね!?

 

えぇ、えぇ分りますよ?目的の為に手段を選ばないとはいえ、女装は恥ずかしいでしょうて。
挙句こんな色々な人に見つかるとはそらぁ恥ずかしい事でしょうとも。
初対面の人たちに妙な先入観で紹介されちゃうしね?!
えぇ、えぇ。そりゃ怒りもしますね?!

 

でもね?でもね??
Geyさんだよ?おおとりさまだよ??

竜神会きっての最恐女帝ツートップだよ?!
そりゃーーどんな事だろうとうまくいくはずもなi

 

鯛の怒りのオーラが頂点に達したのが俺には分った。
怒りのオーラはそのまま終に形を成した。

禍々しく鯛の背に羽根のようにばさりと赤いオーラが羽ばたく。
ばーさーかーすぴりっつですか。。。!

 

「……クク……お前たち、気はすんだか……?」

 

普段よりぐっと低い声で唸るように言葉を吐く鯛。
完全にバーサクモードだ…!

 

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…あれはそう、俺が竜神会に入って直ぐの頃だったかな。
スペルハウラーとして強力な攻撃魔法に浸ってた頃。

鯛と狩りをする為に待ち合わせをしていて、
先に着いた俺は一人で格上のモンスターに戦いを挑んで

祝福されたスピリットショットを使えば格上のモンスターすら倒せると調子に乗って狩っていると魔法が失敗して

反撃を食らい、体勢を立てなおすよりも早くモンスターに接近されて強打を食らい、
意識がふらふらになり倒れそうになった俺は死を覚悟したりして…

その時モンスターの後ろに赤い羽根が見えたんだ…
そしてそのモンスターは赤い柄の剣でなぎ倒されて

「大丈夫?」

そう言って鯛が倒れた俺に手をさし伸ばしてくれたっけ…
バーサーカースピリッツにより赤く染まった瞳はまるで
今の竜神会の旗印のようだったな…

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…と、いう事があったりして俺はこのバーサクモードの鯛に特別頭が上がらない訳で…!

 

モー ナンカホントウ スイマセン _| ̄|○

 

鯛がバーサクモードを戦闘以外で出す程ぶち切れていると
何故か条件反射で謝ってしまう…!
さっきメイド喫茶とか変な事口走ったし非が全くないわけじゃないし…!

 

ぶちキレモードの鯛と目が合ったGeyさんは素知らぬそぶりで首を2度程振った。

ぶちキレモードの鯛と目が合ったおおとりさまは
「違いましてよ。ロキが悪いんですの。ロキが。」
と、言いながら俺を指差した。

 

「あの…鯛…様?」
騒ぎを聞きつけて会場に参上していたのであろうDeL嬢は、初めて見る鯛の禍々しい怒りを発する姿に気おされ、オドオドとしている。
それでも隠れず声をかけるのは彼女なりの精一杯の勇気かもしれない。

背からその声を聞いた鯛はくるりと振り向き、
何事も無かったかのように何時もの暖かい笑みを浮かべて
「あぁDeLPi、無事だったね。ちょっと待ってね、すぐ終わるから。」
と一言。
またもくるりとこちらに向き直った時は、やっぱりバーサクモードだった…

「…猫かぶr」
反射的に突っ込みが口から出そうになり慌てて口を塞ぐが時既に遅し。
鯛がニコニコとこちらを見る。
「何?^^」
笑顔から怒りが漏れてる漏れてる!!

 

鯛が一歩踏み出す。

完全に気おされた俺は思わず一歩下がってしまう。

踏み出した時に邪魔だと感じたのだろう。
スカートの片端を掴むと豪快に引きちぎり派手なスリットを作った。

途端走り出し間合いを詰める

やっぱり俺ですk・・ぎゃあああああああ

ワンツー!ワンツー!ボディーブロー?!げふっ
まだだ・・まだだぜ・・・!
この連打の次はボディーブローでくの字に折れた俺の頭に踵落としだろ!
そうはいかn…

目の前でスカートが大きな音を立ててばさりと持ち上がった。
思わず目が泳いでしまい…

 

がす…っ

見事に踵が頭にクリーンヒット。
そのまま降ろされる足と共に俺の体も地面に倒れる。

気力を振り絞り僅かに体を持ち上げ
「スパッツかよ…!」

一言呟くと糸が切れたかのようにばたりと倒れた。
死に顔はえらく安らかだ…

いや。死なないけど。

 

鯛はニ、三度深呼吸をして息を整えた。
禍々しい赤いオーラは深呼吸と共に飛散して消えていった。

「…さて、変な方向に話が逸れた気がするけど気のせいだね。
話を続けようか^^」
少しは気が晴れたのか禍々しい気を放ちつつも、
何時もの様子に戻った鯛が清々しい声と笑顔で広間に残る人々に声をかけた。

 

警備兵の中には「帰らせてくれ…」と言っているような表情の人もいた。
運が悪かったよ…君も俺も…。



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