[a sea bream] 不正と保身と 2006年03月28日10:19
メイドになり…追いはぎをして…
首を絞められ…殴り倒され…
祖国の族長さま…ロキウェルは今日も元気です…
少しお花畑を見た気がするが何なく復帰。
いつもの事いつもの事…
おや、一連の騒動に気を臆したからかどうか分らないけど
重臣のような人たちが騒ぎ出したぞ…
ふむぅ、経理の不正?
DE、ヒューマン、ドワーフの男の3人はそれぞれに罪をなすりつけ合っている。
DEの名がマグライダーで、ヒューマンがプラウラー
ドワーフが…
「不正経理を暴かれないよう、
姫様に外様の操縦しやすそうな婿でもあてがってしまえと言ったのは卿だろう」
…………。
真っ先に思った
あ。鯛がまたキレる。これはただじゃ済まないぞ。
鯛が動いた時の対処を思索する。
後から追いついた俺の心は…徐々に静かに怒りに満ちていった。
てめえらのご都合から来る保身で
うちの盟主を婿とかぬかし始めたのかよ。
ほうほうそんな理由でか…
どんな理由であれうちの盟主をもってかせる気は無かったけど
こんな茶番の為に軽々しく使われたとはね
直接の被害者じゃないから場を勝手に乱す気はないけど
これは腹が立つな
動きやすいように常日頃平然を常に保つようにしているのに、
今は体から怒りと魔力が溢れてしまいそう。
鯛からもひしひしと怒りのオーラが…鯛が動くなら紛れて俺も暴れてしまおうか
仕掛ける手順を漠然と考えていたその時、
いきなり銅鑼が鳴り響き男が現れた。
大きな音に一気に感情をリセットして場を確かめる。
エルフとは思えない迫力の体格のエルフが
長く伸ばした桃色の髪を揺らして歩いてきて、仁王立ちした…
エルフの体をどれ程鍛えるとこうなるのか…
しっかりとした筋肉が付いているのにどこかしらエルフの線の細さが残る。
「私がグルーディオ城主、ヴァヌーである!!」
あまりの大声に全てが震えたかのように思えた。
…なんだこのすごい迫力のエルフは……
重臣達が何かを言おうとするけど一喝して黙らせた…
問答無用とは正にこの事だなぁ…こりゃまたえらいのが出てきたぞ…
国王というからには下手な事はし難いなぁ …
とか思っていたらあぁ鯛の方に向かってしまった。
鯛はあっけに取られていた様子だったが気を取り直して直接問答に向かったぞ。
「ヴァヌー城主、何故ぼくをテラン様の婚約者に?
さっきこの男が言ったみたいに、
この城の不祥事を隠し通すための道具にしたかったんですか?
おかげで血盟ごと大変不名誉な事態になってるんですけど」
ふむ。ストレートに聞いたなぁ
…うお。…城主ヴァヌーから凄まじいオーラが…
眉毛がぴくぴくと動いて血管がうっすらと浮いている
「不名誉!!!それはこちらの台詞であるぞ鯛の姿焼き殿!!!」
凄まじい気迫だけど鯛も押されていない。目をじっと見て言葉を待っている。
「今日という日は我が愛娘の大事な成人の日であり、婚約発表である!!
そのような大切な日にも関わらず貴殿は…!
プラウラーより聞いておるぞ!!女子の姿をいいことに、プラウラーを誘惑した挙句に
このような爆発騒ぎまで引き起こしたと言うではないか!」
プラウラーを誘惑ってナンだーー…
どうせあのプラウラーってヒューマンのでまかせだろうけど誘惑て。
あの家臣、都合の悪い事を鯛に全部ひっかぶせようとしているのか。
どうしてくれよう。
そう思いながら家臣達の方を見ていると…
ドワーフの…ヴァンガードと言ったかな。
そいつが何やらこそこそと何かの機械をいじっているのがちらりと見えた。 |