− ロキウェル編
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[a sea bream] 外部警戒 2006年03月29日22:40

ぴくり、と耳が動く。何かの音が聞こえた。
・・・ね、寝息?!
まさかと思い音のする方向を見ると・・・

こんな緊迫した状況で寝てるよおおとりさま・・・

小難しい話と感じると直ぐに無関心になるのは相変わらずだな・・・

 

さ、さて・・・
今俺の役目は女装までして城に潜り込んだ鯛が目的を遂げる為にサポートする事だ。

鯛が国王に今回の婚約騒動の真意と不正についてを問いてる間、
邪魔が入らないようにしたいところ
・・・お。

DeL嬢が動いたな・・・
鯛と国王のやりとりに紛れ、会場を抜けてどこかに行こうとしている。
あっちは爆発音のした方向か。確かにあれも気になってるんだよなぁ・・・

俺も爆破を調べに行こうかと迷っていると、他の動きにも気が付いた。

何か機械をいじっていたドワーフのヴァンガードの動きが慌しい。
機械を耳に当てたり叩いたりして。。。
アレ通信機器か。どうやら機械の調子が悪くてうまく通信が出来ない様子。

ついには機械を使う事を諦めて外に出ていった・・・外で何かするつもりか?

 

国王と直接城の不祥事についてを語り合う、この場の危険な状況も心配だけれど・・・
仕方が無い、ここは3人に任せて広間の外の危険を調べにいくか。
幸い、おおとりさまも目が覚めたようだし・・・

 

ヴァンガードを追って会場を出ようとすると数人の警備兵が数人立ちふさがった。
けれど国の不祥事から来る不安から精神の強度が落ちているのだろう。
かろうじてスリープやらスローやらで対処してやり過ごす事ができた。

広い廊下を走りヴァンガードを探していると・・・
おや。DeL嬢だ。
柱に隠れて部屋の中を伺っている。
DeL嬢の視線の先にはヴァンガードが居た。

その部屋からは異様な程の・・・俺が知るものとは違う魔力のような力を感じた。
・・・おびただしい量のクリスタルに巨大な機械・・・?

「攻城兵器のワイルド ホッグ キャノンです」

緊迫した表情のDeL嬢がヴァンガードに気づかれないように小声で告げた。
あれがそうか・・・見るのは初めてだ・・・

あんなもの呼び出されてたまるか!
渾身の力を込めて魔力を振り絞りスリープの魔法を打った。
精神を侵す青白いスリープの光がヴァンガードへ襲いかかり・・・はじけとんだ。

くっそ失敗かああぁぁ・・・ん?

スリープの光に気がつき、
召喚術を続けながらもヴァンガードがこちらに向かい顔を上げた。

成金趣味丸出しな礼服姿から見えたのは・・・
マジェスティックアクセサリのフルセットかよ!!
こんなのいくらスリープを乱発しても武器無しでかかる訳がないっ。

「ロキ様、先ずは武器を用意しましょう。
城のどこかに武器庫があるはずです。
一時とはいえこの城で働いたロキ様ならご存知ですよね」

DeL嬢が強い意志を込めた目で俺を見ながら言った。戦う気なんだな。
鯛のことで何時も張り合ったり喧嘩したりな相手だけれど・・・
今はそんな事を気にしている場合じゃない。
DeL嬢とは一時休戦だ。協力する意思を軽く頷きながら見つめ返す事で示した。

ヴァンガードは俺達に気が付いたが召喚中の為動く事が出来ないで居る。
今のうちに急いで戦いの準備だ!

俺はDeL嬢を連れ武器庫へと急いだ。



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