− 鯛の姿焼き編
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[a sea bream] 城主の招待状  2006年03月08日13:37

冗談じゃない!!

仮にもここで倒れたら、今度はGeymarkのお説教どころか……
ああ、もうマンティコアサベサベ以下の装備を持たされる

必死に剣を振るい
何度も詠唱を邪魔されながらもヒールを唱え続けていたところ

突然周囲の空気が白く光り出し、視界を覆った
瞬間、思わぬ声が耳に入った

こ、これはソードシンギング?

「ぎゃはは! 何やってんのお前」

ナコンダスにやられてるこの状況よりも無性に腹が立った
ぼくはすかさず声の方に全神経を向けた

「マンティコアにサベサベとか、何のコスプレだよ!
あー笑いがとまr」

“ガキン!びし!!”

「いてぁ!! お、おま、いきなり何をすr」

ナコンダスの奴隷に肩口を噛まれた事などお構いなし
笑って見てないで助けろ、バカ兄貴!!

 

シルノエンレザー一式を着込み、
サムライロングソードを携えたソードシンガーの兄、鮎の姿焼き
ぼくに殴られた後すぐに風の歌を歌い、
ぼくを背負って瞬く間にパルチザン方面にそびえる山を
駆け上がっていった(ディオン帰還ポイントのある山間)

うー、助かったというか何というか……

鮎の姿焼きは、おおとりさまの恋人……と言いたいところだけど
兄貴は今、おおとりさまの得体の知れない行動力と背後の組織、
そして性格の前に底知れない恐怖を感じて逃亡中

身に覚えのない子供が現れたり
父さん(魚占の姿焼き)立会いで、
兄貴のいないところで婚姻届が提出されたり

そ、そりゃ逃げたくもなるよね
でも、それもきっとおおとりさまの愛のカタチなんd……

し、信じがたい、言い聞かせようとしたけど無理

心配ではあったけど、手癖が悪いせいでこうなったわけだし
自業自得かなとも思っていたので、
行方を追及したり、連絡を取り合ったりということはしなかった

まったく、良いタイミングなんだか悪いタイミングなんだか
とにかく会えてちょっとほっとしていたり
ぼくの装備をニヤニヤと眺める顔がちょっと気に入らなかったり

しかしこんなところに何しに来たんだろう

「……元気だった?」

ぼくはそれとなく切り出してみた

「おうよ、謎の組織に追われたりする日々だが大丈夫だ!
ソードシンギングと俊足の才に恵まれたことに感謝してるね」

な、謎の組織て……おおとり財閥のことかな……
まぁ、兄貴の足なら捕まる心配はないな
仮にさっきの場所で追っ手が潜んでいたとしても、
恐らく追いつきはしない

「そんなことよりいいところで会ったな! 聞いてくれよ」

「ん?」
兄貴は突然、嬉々として語り出した

「俺さー走り回ってるうちにグルーディオの城主と
ちょっとした縁が出来てさ
気に入られちゃって気に入られちゃって
いや流石だな俺、ハハハ
娘の誕生祝賀会に招待されちまったよ」

「グルーディオの城主に? なんでまた」

「その娘ってのがな、スッゲェ美人で」

「ば、バカ、声でかいよ!!
おおとりさまの部下いたらどうすr」

「城主、お前のことも知っててさ
是非一緒にいらしてくださいってよ
どうよ! 同盟員に内緒で行ってみねえ?」

兄貴は上着の内ポケットから
二つの封筒を取り出してぼくに見せた

うわ、確かに城主の印だ……
何だコレ、どういうことだろう……?



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