− Geymark編
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[a sea bream] オペレーション「酢豆腐」 2006年03月08日21:19

「ビネガーの仕込みに少し時間もかかりますし、少しお待ちいただくことになりますけど・・・」
「あら、そうですか、それでは表の露店でもしばらく見て歩くことにしますわ。」

ディオンの露店街といえば、ギラン相場から考えられないような法外な値段の現物売りや、低lvの方を食い物にしているとしか思えない買取露店が多くて、あまり好きにはなれないというのが正直なところですけど、時々意外な掘り出し物が見つかることもありますからあなどれませんわね。

露店を見て回っていると、黄色い悲鳴ならぬ白い噂話というのが聞こえてくるのものですわね。
「・・・んな弱小血盟の盟主をねぇ・・」
「なんでも城主が男惚れらしくて、娘よりも城主の方が是非に、って話らしいよ。」
「そりゃエルモア竜神会といえば、OB開始直後からの結構老舗の血盟だけど、城どころかアジトの一つすら取ったことのない弱小・・」

・・・うちの血盟の名前が??

「恐れ入ります、そのお話詳しく聞かせていただけるかしら?」

私の背負っている旗に気づいて、噂話のご当人達は少々口が重くなったようですが、そこはまあ、なんとか聞き出しましたわ。

え?どうやって聞き出したかって?
・・・大人はそういうことを聞かないものでしてよ。

なんでも、グルーディオ城主が鯛を気に入って、娘婿に是非にという話が持ち上がっているらしいですわね。
あの放蕩エルフが関与しているとのこと。まったくあのろくでなしは・・・

とりあえずロキに連絡ですわ。ちょっとこちらも急がなくてはね。

 

・・・・

「はぁはぁ・・・Geyさん、おまたせ・・・」
「さすがに事が事だけに早かったですわね。卵は?」
「ぜぇぜぇ・・・はい、ここに二種類・・・」
「ふむ・・・こっちが新鮮な卵、こっちが古いのですわね。」
「はぁはぁ・・・聞かなくてわかるんですか?」
「手触りでわかりますわ。卵は表面がざらざらしてるのが新鮮。このくらい常識でしょうに。」

・・・・

「ジョナス、ビネガーの方は出来上がったかしら?」
「あ、はい、仕上がってますよ。予想通り片方はいい出来とは言えませんけど・・・」
「そう。それじゃ、出来の良い方にこの卵、出来の悪い方にこっちの卵を組み合わせて、その『マヨネーズ』とかを作っていただけるかしら?」
「この卵をですか?うーん、この出来の悪いビネガーと組み合わせたら、病気にこそならないとは思いますが、食べられたものになるかどうか・・・」
「構いませんわ。それでお願いしましてよ。」
「は、はあ・・・それじゃ、仕込む間もう少し時間をください。簡単とはいえ、配合のバランスとかは料理人の秘密ですので。」
「なるほど、それも道理ですわね。じゃあロキ、少し席を外しましょうか。」

ロキを引き連れて、人通りの少ないところですこし打ち合わせをした方がよろしいですわね。

 

・・・・

「・・・というわけで、グルーディオ城主から鯛にお呼びがかかってるそうですわ。」
「ええっ!鯛がグルーディオ城主の娘婿に!?」
「まだ城主が一方的に言ってるだけみたいですけどね。とりあえずグルーディオに向かってもう少し聞き込みをした上で、どうするか考えることにしましょう・・・」

・・・・

「ジョナス、そろそろ出来上がったかしら?」
「あ、はい。出来上がってます。区別がつくように蓋の色を変えておきました。こっちの青い蓋が新鮮な酢と卵で作った方です。自分で言うのもなんですが、かなり会心の出来ですね。」
「なるほど、するとこっちの赤い蓋が・・・」
「・・・ええ、食べても腹はこわさないとは思いますが・・・」
「結構です。期待通りのものが仕上がりましたわ。」
「それでは、これで解放していただける・・・」
「最後に一仕事だけお願いしますわ。この二つのビンに、ジョナスさんの銘を入れていただきたいんですの。」
「え!?・・・青い蓋の方は会心の出来ですし、銘を入れるのもやぶさかではありませんが、赤い蓋の方に銘を入れるのは私の料理人としての信用問題に・・・」
「入 れ て も ら え ま す わ ね?」
「・・・はい、喜んで入れます・・・」

・・・・

「はい、ロキ。幻の調味料ゲットおめでとう。」
「あ、ありがとうございます。Geyさん!!」
「せっかくの幻の調味料ですから、課題を出したおおとりさまには是非味見をしていただきたいところですわね。」
「そ、そうですね。じゃあこの青い蓋の方を少し・・・」
「あら?課題を出すぐらいだから物の良し悪しぐらいは当然おわかりになるでしょう?二つとも差し出して選ばせておあげなさいな。」
「・・・え!?」
「ただし、差し出す時にこう言いなさい。

 青い蓋のは普通のマヨネーズ。
  赤い蓋のは、「特別な材料を取り寄せて」ディオンの有名料理人に「無理を言って特別に作らせた」マヨネーズ

 とね。」
「ちょ!・・・」
「あら?私、何か嘘でもついていますかしら?」
「・・・いいえ、嘘はついてません・・・」
「ま、とりあえず二本ともロキが持ってなさいな、グルーディオ城主のこともあるし、何かの役に立つかもしれませんわ。」

さ、グルーディオにむかいますわよ!ロキ!!



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