− 鯛の姿焼き編
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[a sea bream] 材料一式取り揃え  2006年03月09日15:47

何故グルーディオの城主が……
兄貴の話によると、
ぼくが同盟員を連れて派手に狩りをしている所を見て、
その時からぼくやエルモア竜神会のことを気にかけていたとか

恐れ多いし、第一ぼくはグルーディオ城主と何の面識もない
エルモア竜神会は戦争血盟じゃないし、アジトも持ってない
周囲からしてみりゃ至って地味な血盟なのに

おおとりさまの組織は別だけど……ある意味……

うーん、あんまり乗り気じゃない
けどグルーディオの城主とあらば拒否するわけにも……

と考えてる間にも、兄貴が積極的に話を持ちかけてくる

んー……
まぁ、たまにはこういうのもいいか……お城の中も見れるし、
美味しい物食べれるかもしれないし
上流階級の人たちとあまり交流する機会ないし、
社会勉強と思って行ってみることにしよう

 

「とりあえずな、そのみすぼらしい格好じゃ城主に失礼だぜ
NMローブならまだしもよぉ、マンティコアはちょっと……」

兄貴は言いながら、また嫌味な細い笑みを浮かべた
うるさいなぁ、ぼくだって好きでこうなったわけじゃ……

「まぁまぁ、そう睨むなって
超・超・弟思いの俺からお前にプレゼントがある」

「プレゼント?」

兄貴は背負っていたバックパックを下ろして
いくつか物を取り出した

これは……

手にとって確認してみると、
針箱に宝石ケース、
美しいシルクの布にバッファロー革の靴……

なんだこれ、まさか

「これをアデン唯一の礼服職人“レイカ”に渡せば
礼服作ってくれるぞ」

「ええ!?」

思わず大きな声を出してしまった
れ、礼服作るための材料?!

「祝賀会までそう時間もない、今すぐにでもアデンに向かえ」

たしかに、招待状に記された日時はそう遠くない……というか
結構急な話だ

祝賀会はなんと3日後

このスケジュールの圧迫は、
恐らく兄貴の逃亡中ゆえの不手際のせいだろう
確かに、準備する時間は少ない

やばいなぁ、テーブルマナーとか舞踏とかさっぱりだ……

「確かに時間ないよ、どうせなら礼服そのものくれればいいのに」

ちょっとむくれながらぼやいてみたけど、

「アホか、俺はお前の靴のサイズしか知らん
身長もスリーサイズも知らん俺がどうやって製作依頼しろと
まぁ、165cmないってのはしtt」

ううん、そう言われてみればそうか……
ぼくは兄貴のほっぺたを強く強く捻りながら納得して、
礼服製作用の材料をすべて受け取った

 

兄貴はぼくに材料を渡した後、
当日の段取りを軽く話してすぐに立ち去った
これからハイネスの美容院に行って来るとかなんとか

ぼくは……しょうがない、
レイカさんに会いにアデンに向かおう



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