[a sea bream] 痛みをドゾ 2006年04月06日00:50
実体のない赤い力に神経を集中して、 距離を取ろうと後退する相手を見ながら右足を踏み切る 相手の目前で着地すると同時、カタチを成していた羽は分散し ぼくの両手を取り巻いた 思うまま、両の手のひらで思いっきり地面を突く 「ぬ?!」 ぼくの動きを読めなかったのだろう 咄嗟に動けなかったらしいマグライダーは、 「今、見えたぞ…… む、この男 “魔力を嗅ぎ分ける”才能があるのか でもそんな怖い顔しなくていいよ、 赤い光はぼくの体を離れ、すっと空気中に分散し始めた 所詮、“失敗作の子孫” 本当に使い物にならない、1にも満たない力 はぁ、この能力がもっと持続すれば でもでも! アジトや城なんか持ってなくても、充分幸せ 歴史に名を残すより、 ぼくの持つ力の根源が見えちゃった君には、 そう思いながら右手の剣をマグライダーの左肩口に 「ククク、もっとだ! もっと!」 マグライダーは気がふれたかと思うほど高く笑った え、な、何?! 左目から流れる血が、ぼくの肩を濡らす 「禍々しい力は失せたようだな、丁度いい…… |