[a sea bream] 封印解除 2006年04月07日04:15
さて、とりあえずあっちの方は前衛組にまかせるとして、姫様の様子でも見てこようかしら。
あれは・・・プラウラー?
姫様の控え室に入っていきますわね。
あまり盗み聞きっぽいのは趣味ではありませんけど、とりあえず様子をうかがいましょうか。
「本当にあなたは無関係なのですか?」
「無論です。このたびの不正はマグライダー、ヴァンガードの両名が行ったこと。私も看過した責任はありますが、一切無関係です。」
「でも、先ほど戦争費用の横流しがどうのと・・・」
「あれは苦し紛れの出任せでしょう。先ほど秘書官殿も証拠が見つかってないと言っていたではありませんか。」
あらあら、もうすっかり保身モードですわね。
向きを変えるスピードは風見鶏並かしら。
まあ、この程度の小物なら、あの姫様ならどうとでも操縦できるでしょう。
「では、鯛の姿焼き様との婚約については・・・」
「はい、私も時期尚早と考えておりました。恐縮ながらしばらくは城の内政の立て直しを優先すべきかと。」
ここまで見事な転身っぷりだと感心すらしますわね。
「では、父への取りなしはお願いできると思ってよろしいのかしら?」
「はい、私ごときでよろしければお口添えはお任せください。今後は、姫様の支えとしてこのプラウラー、存分に働かせていただきます。」
あら?ちょっと下心オーラが見え隠れしますわね。
助け船を出した方がいいのかしら?
「うふふ・・・それは頼もしいこと、無論それ相応の働きをしたものにはそれ相応の見返りは考えておりますわ。」
「それでは・・・」
「今後ともわが城のためにご尽力くださいますよう。」
そう、それで正解ですわ姫様。
さりげなくニンジンをちらつかせて、実際には与えない。
そのへんのじらしっぷりが女の手管というものでしてよ。
「Gey、入ってきてもよろしくてよ?」
あら、やっぱり気づかれてましたわね。
「失礼します。用件の方はお済みですか?」
「う、うむ。今後のことについて姫様とな。それではこれで失礼する・・・」
「お待ちくださいませ、プラウラー卿。」
「何か?」
「姫様、こちらが私の調査内容の全てです。マグライダー、ヴァンガード両名による荘園費用の横流し、プラウラー卿による戦費の横領。すべて洗い出してあります。」
「き、貴様!!話が違うではないか!」
「はて?何の約束でしょうか?」
「貴様、そう来るか!姫様!こちらの者は鯛の姿焼きの血盟員ですぞ!」
「それが何か問題でも?」
「あ・・・」
「そう、この状況になってしまったらそれを黙ってていただいても意味はありませんわねえ?」
「き、貴様!!」
「お待ちなさい!プラウラー、Geymark!」
姫様が止めに入りましたわ。
「プラウラー、先ほど私に忠義を尽くすと誓いましたわね?」
「は、はい・・・誓いました。」
「ならば、ここまでのことはあえて問わずということにしましょう。実務を行ってきた三卿が全て更迭されるというのも城の運営に影響を及ぼします。」
「ひ、姫様・・・」
「この件は私の段階で留め置きましょう。しかし、万一の場合に、この件が父の耳に入ったら、どうなるかは貴方が一番ご存じのはずですわよね?プラウラー?」
「は、はい・・・」
「今後ともわが城のためにご尽力くださいますよう。」
お見事ですわ、姫様。これでこっちの方は収束したかしらね。
あ・・・
「そういえば姫様、ご城主様はどういたしますか?」
「ああ、そうでしたわね。眠ったままのはずですわね。」
「いかがいたしましょう?」
「そうね・・・Gey、その獲物をかしていただける?」
「これをですか?」
「そう、そのバーサーカーブレード。それでちょっと父を起こしてきますわ。」
それはかまいませんけど、それ+8ですわよ。
それで殴ったら普通の人なら痛いじゃすまないと思いますけど・・・
「大丈夫、逆にこのくらいじゃないと父は起きませんわ。」
「は、はあ・・・」
「それじゃお借りしますわね、ちょっと失礼。」
と言って私のバサブレ+8を持って姫様は出ていかれましたわ。
そして、この控え室も聞こえるほどの音量で
「さあ!父上、起きてくださいませ!!」
ぶぁっちいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃん!!!!! |