[a sea bream] おいはぎおいはぎ 2006年03月16日00:57
とっとと女装やめて男の服着ようと思い、
たまたま廊下に一人居た密偵らしきマジェスティックローブの男からローブを奪ったら、
返り血を浴びたおおとりさまにマジェローブを持っていかれた。
お約束か・・
その次は声まで変わっちゃった鯛と合流。
こっそりDeL嬢が来ている事は告げずに状況を説明していると・・・
祝賀会の催し物で、パーティー客による鯛捜索大会が始まってしまった・・・
一旦鯛を待たせ、俺は自分が着る礼服を探しに会場へ戻った。
きょろりと見渡すと、俺に似た背丈のDEを発見。
こいつでいいかな・・・グラスのトレーを持ってそっと近づく。
「お飲み物のおかわりいかがですか〜」
「おいお前、DEの割に体格が貧相なんじゃないか〜?」
酒の匂いがキツい。へべれけかょ。
「尻ももっと大きくないとそんな図体じゃ嫁にいけんぞ」
とか言いながら尻触られた。何だコイツ。
ひとまずここは人目があるから始終ニコニコ営業スマイル。
バランスを崩したふりしてワインを裾にこぼしてやる。
「大変失礼しましたお客様、お拭き致しますのでどうぞこちらへ」
とか言って慌てたふうに会場から連れ出し人目の無い所へ。
もちろん男はぎゃあぎゃあと文句言いまくりだった。
影に入るや否や俺は男と目を合わせ、男の口に人差し指をそっとかざす。
一瞬黙り込むがまた口を開こうとする
・・・が、既に術中に入った男は直ぐに喋りはじめる事ができない。
――西の月、北の小部屋。夜の帳は深々と。全ての音は露として消ゆ・・・――
スペルハウラーの得意呪文、サイレンスをかけた。
男は言葉が出ない事に驚き、暴れ出した。
「君は金持ちそうだが品格が足りないな。同族としても腹立たしい。
さ、大人しく歩いてもらおうか〜。」
さっき取られた態度に怒りを覚えた俺はやや本気で相手を睨み、
指先から風の刃を小さく作って相手の首筋の薄皮一枚を切った。
すっかり大人しくなった男を連れ鯛の元へ。
急いで俺はカツラを外し、服を脱いで鯛に渡す。
開放感と共に洗面台にある手洗い用の石鹸で強引に化粧を落とすと
男から剥ぎ取った礼服を着る。
よし、こちらはお着替え完了〜
・・・色々と気になってくるりと鯛の方を向くと、普通に可愛いメイドさんが・・・
「か・・かわi」言い終わる前にグーで殴られた。
カツラを付けるのを手伝い、ヘアピンで留める。
・・・うぅん何時見てもいい出来だぞ俺製アクセ。
メイドさんはあまり怒らせると後が怖いのでなるべく見ないように見ないように
・・・こそっと見たり、見なかったり。
さて。鯛の着ていたドレスと、いけ好かないDEの男が残った。
「・・・。」
「とりあえずこうして」俺がドレスを男に無理やり着せ
「・・・こうして」鯛がドライアードルーツを詠唱した
こんなところかと二人で頷いて、人気の少ない部屋に捨て置いた。 |