− ロキウェル編
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[a sea bream] うなだれ 2006年03月14日15:31

にこにこにこ〜
はいはい飲み物こちらですよ〜
はいはーい空いたグラスお下げします〜

にこにこ〜^^

疲れた('A`)

はー。おおとりさまとDeL嬢の位置は把握。
で?警備と別にちょろちょろしてるヤツが…結構いるなぁ。
いいなぁ王族のおかかえってあの程度の魔力であんな贅沢な装備してるのかょ…。
立派なAグレードのローブを目の端に捉えて心でぼやく。

最近流行になってきたらしい豪華なヘアアクセサリを付けた淑女達の間を縫うように歩く 。
アレすごいなぁ…作れるかなぁ?
…作り始めるとこんな事も気になるもんか。

しかし俺の力作も負けたもんじゃないよな。
そんじょそこらのヘアピンよりずっと豪華で造形も…
そう、丁度あそこのご婦人の付けている物程豪華…は?

俺の目は忠実なるメイドらしく、雇い主と似た背格好と髪型のヒューマンを見かけると真っ先に照準が合う。
その俺の目が捉えた一人の白いドレスの人の頭にはどう見ても俺が作ったものと同じヘアピンが付いていた。
作った俺が見間違える訳もない。

オブジェ的に贈ったものなので頭に付けて使用する姿を想像もしなかったが
いあ、てかそれ以前にだ。

いやいや落ち着け。まぁ落ち着け!!

あそこに居る白いドレスのお嬢さんぽい人…鯛じゃね?

落ち着けと心で繰り返しながらも全く落ち着けていないらしく、
完全にうろたえて動きと思考が止まる。
自分の姿も隠れる必要がある事も全てが吹っ飛んだ。

その瞬間目が合う。やべ見つかtt
一瞬互いの間の空気が完全に凍りつくのを感じた。。。

やばい。独特の怒りを携えた微笑みを浮かべて近づいてきた。
俺の持つトレーの上のグラスをひとつ手に取ると一瞬、真剣な目つきで俺を見た。
その気迫に瞬時に冷静さを取り戻した俺は何となく事態を察する。
…まぁ理由がなきゃこんな格好してないしな。よっぽどか。

俺は頷く代わりにゆっくりめにまばたきを一度返して、他のパーティー客にするように会釈をして何事も無かったようにまた飲み物を配り始めた。
………鯛の姿焼き、確認…

色々と思考を巡らせようとした所で少しざわつきを感じ取る。
鯛の方も気になるが…確認だけしにいこう。
…あっちはおおとりさまが居るはずだな。。。

予想通りというかなんというか、おおとりさまが派手に殿方をたしなめたようだ。
周りのパーティー客は男から女まできゃあきゃあと黄色い声をかけている。。。

おおとりさま、通常稼動っと。。。
状況は確認したしバレないうちに去ろう……って
視線を感じて振り向くとおおとりさまが俺を見てニヤっと笑みを…

ばれてるじゃん。

DeL嬢は分らないが、鯛にもおおとりさまにもバレt

俺 も う 女 装 意 味 ね ー ん じ ゃ ね ?

とりあえず知り合いの居ないであろう方向へ移動…
気分はヨレヨレだ…
何の為にこんな肉体労働頑張ったんだか…
あぁあんかっこわるいとこ見られたーーー
これは凹む……

多少足取りがふらつきながらも
営業スマイルとグラスを渡す手が条件反射で出る自分に更に泣けた。


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